G.E.labの鑑別書

一般の鑑別器材や高度な機器を使用し、天然・合成・人造・模造といった起源や、様々な処理の人的手段の履歴を明らかにし、その結果を記したレポートを発行しております。
また、宝石固有の詳細な情報に対するニーズにお応えするため、パパラチャサファイアピジョンブラッドロイヤルブルーの表記やエメラルドの産地同定、コランダムの非加熱検査なども行っております。

※パパラチャサファイア、ピジョンブラッド、ロイヤルブルーの表記、またエメラルドの産地同定、コランダムの非加熱検査は会員様のみのサービスとなります。エメラルドの産地に関しては、特定の地域のみ記載が可能となります。

サファイア

G.E.labの特殊分析機器

近年では宝石の鑑別において一般の鑑別器材の他に高度な分析機器も必要不可欠なものとなっております。G.E.labでは、FT-IR-4600(フーリエ変換赤外分光光度計)やGIA iD100®などを使用し精度の高い鑑別業務を行っております。

日本分光株式会社 FT-IR-4600
(フーリエ変換赤外分光光度計)
FT-IRとは、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Transform Infrared Spectrometer)の略で、サンプルに赤外光を連続照射し、干渉パターンをフーリエ変換することで分子構造に応じた吸収スペクトルを取得し、物質中の原子団(基)の情報を得る手法です。
ひすいやエメラルドの樹脂・オイル含浸の有無、ダイヤモンドのタイプ分類、アレキサンドライトや水晶類の鑑別、屈折が近似する宝石の鑑別に有効であり、また、コランダムの結晶構造中の水酸基の吸収は加熱・非加熱の重要な判断基準の一つとなります。
GIA iD100
GIA iD100®は、特殊な紫外線A波による発光分析によって天然ダイヤモンド特有の発光の特徴を検出し、Ⅰ及びⅡa型天然ダイヤモンドとその他の合成ダイヤモンド及び類似石を識別します。
検査対象石は、直径0.9㎜(約0.005ct)以上、無色(D~Jカラー)、ピンク色~赤色、青色~緑色、褐色で、ルースだけでなく台座付きのダイヤモンドも判定可能です。

レポート発行において安全性を確認する為、以下の機器を使用しております。

HORIBA PA-1000 Radi
PA-1000 Radi は、γ線を測定できる環境放射線モニタです。
検出器に固体シンチレータ(CsI(TI))を採用し、測定範囲(0.001~9.999μSv/h)、感度0.01μSv/hに対して毎分10カウント以上で高精度に測定することができます。
国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に従い放射線鉱物や人為的な放射線処理を受けている可能性のある宝石については、シンチレーションカウンター PA-1000 Radiにて安全性を確認し、レポートを発行しております。
FT-IR

G.E.labの鑑別書の見方

G.E.lab鑑別書
  1. Report No.
    鑑別書発行番号になります。
  2. 形状
    当該石のカット形状。製品の場合は素材表示がそのまま記載されます。脇に石が付いているときにはその色と石が付いていることが記載されます。(例:無色石付)
  3. 重量
    ルース(裸石)の場合にはカラット天びんを使用し、小数点第三位まで表示し、製品の場合は表示されている刻印のまま記載されます。
  4. サイズ
    縦×横×深さを計測し、ミリ単位で記載されます。製品の場合は測定可能な数値のみ記載されます。
  5. 色相透明度
    当該石の色とその透明度が記載されます。
  6. 鉱物名
    鉱物名(国際鉱物学会承認)または生物学上の呼称が記載されます。人的手段を介さず自然界で生成されたものには全て天然の接頭語を冠します。
  7. 宝石名
    すべて天然の接頭語は冠せず、カラーバラエティー、光学特性がつくと判断されたものは記載されます。
  8. コメント
    当該宝石に対して鑑別にて明らかになった処理、または習慣上の処理などが記載されます。
  9. 備考
    コメントとは別に特筆すべき内容が記載されています。
  10. 検査内容
    当該石を鑑別した際に、どの機器を使用して鑑別結果をだしたのかをチェックマークにて表示しています。

宝石の産地について

産地鑑別とは宝石産出地の地理的地域の限定を行うことです。しかしながら正確には宝石の地質学的産出状況を推定することであり、それゆえ同様の地質環境から生成した宝石は産地(産出国)の限定が困難となります。

鑑別結果の精度を高めるためには、鑑別技術者が長年にわたって蓄積してきた知識や経験、ラボが保有する膨大なデータ、そして高度な分析技術が必要不可欠です。原産地についての結論はデータとの比較、現時点での継続的研究の成果および文献化された情報に基づいて引き出されたものです。

ここに記した地理的地域はラボの限定的意見であり、ある特定の宝石の出所を保証するものではありません。
また、宝石の品質や価格を示唆するものでもありません。

検査石を観察、分析した時点での結果を反映したものであり、その後の技術の進歩において異なる結果が得られる可能性があります。

加熱検出の限界について

コランダムは、通常、色の改善を目的とした加熱が行われています。加熱の温度は淡色化あるいは濃色化の目的に応じて異なりますが、一般的には1,400℃~1,700℃、時にはそれ以上の高温に曝されます。

これらの加熱の検出には、宝石顕微鏡による詳細な内部特徴の観察がとても重要です。多くの結晶インクルージョンはコランダムより低い融点のため(*コランダムの融点=2,050℃)、加熱により融解したり、変色したりします。また、液体インクルージョンの癒着や、加熱に使用される触媒等がフラクチャーに残留物として確認されることもあります。更に、可視分光光度計やFT-IRによる分析等が必須です。

コランダムは地質学的な産出状況において異なりますが、通常800℃~1,200℃で生成すると考えられており、自然界において、本来この程度の熱履歴を有しています。そのため、生成温度以下の加熱等の原因により、検出不可能なケースがあります。したがって、加熱の痕跡が検出できない場合においても、加熱が施されてないことを保証するものではありません。

検査石を観察、分析した時点での結果を反映したものであり、その後の技術の進歩において異なる結果が得られる可能性があります。

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